ドミナリオン(仮)ルール

1.はじめに
 「ドミナリオン(仮)」はトレーディング・カードゲーム(TCG)であるマジック・ザ・ギャザリングMTG)」の余剰カードを利用して遊ぶことができる、カードゲームドミニオン」っぽいゲーム……というか代替品としてのお遊びです(ドミニオンの実物がその場にあるなら、むしろそちらを遊ばれることをお薦めします)。現在は日本語版や拡張セットも次々好評と共に発売されているドミニオンは、TCGボードゲームの長所を合わせ持つ優れた卓上ゲームですが、カード種も増えてきたため持ち運びも困難になってきて『いつでもどこでも』という訳には……という声も聞くようになりました。

 そんなわけで今後のドミニオンの宣伝やプレイ環境の拡張を考え、有り合わせのものでソレっぽいゲームを遊ぶ方法を考えたのが、この「ドミナリオン(仮)」です。名前はMTGの背景世界「ドミナリア」からの連想です。使用するMTGのカードは余りコモンカードなどから割と適当に選んでいいと思います。持っていない方…(は、そもそも遊ぶ必要なんて…)…がどうしても、ということなら必要なカード類は近場のカードゲームショップから二束三文(だいたい10円/枚)で揃えられるでしょう。あるいは最近発売されたMTG商品「デッキビルダーセット」定価約2800円、カード285枚(http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88)なら1個で十分な量のカードが手に入ると思われます。初めての方がMTGを遊ぶのにも普通に便利ですし!


2.準備すべきもの(多少足りなく/多くてもなんとかなります)
-プレイヤー人数
 たぶん3,4人ぐらいが適切。5人でも遊べそう
-MTGのカード:基本土地
 全5種類(平地)について、各種15〜20枚ぐらいが十分な量。
-MTGのカード:クリーチャー
 MTGの基本5色()ごとに、それぞれ10枚づつ。
-MTGのカード:スペル(クリーチャー以外)
 MTGの基本5色()ごとに、それぞれ10枚づつ。あまりコストの高い/低いカードばかりだと大変。3〜5マナが多めだといい感じ。
-MTGのカード:アーティファクト
 適量。あるだけ使ってもよく、別に無くてもいいです。

 ※このゲーム中でMTGのカードは、主にカード種・色・コスト・パワー&タフネス(クリーチャーなら)を参照し、カードテキストは無視します。扱いが分かりにくい/ルール解釈が面倒そうなカードがあれば、ゲーム準備中に除外してしまっていいでしょう。またルールが分かってきたら、プレイヤー間の合意の上で好きなカードを選んで使っても構いません。


3.ゲームの準備
 各色のカードを、色とカード種(クリーチャーか、非クリーチャーである他の種類のスペルか)ごとに分け、それぞれシャッフルして卓上に表向きで重ねて置きます。これが各色カードのクリーチャーもしくはスペルの【サプライ】になります。スペルのサプライの一番上のカードが6マナ以上だとそれらのカードを購入するのが非常に困難になってしまうので、その場合は当該サプライをシャッフルし直して下さい。

 各プレイヤーに基本地形カードを、各種2枚づつの合計10枚ほど配ります。プレイヤーは各自それをシャッフルして裏向きに重ね、ゲーム開始時の【山札/ライブラリ/デッキ】とします。余った基本地形カードは種類ごとにまとめて表向きで卓上に置き、必要があればプレイヤーが取れるようにしておきます。

 各プレイヤーは、自分の山札からカードを5枚引き、ゲーム開始時の手札とします。ゲーム中に手札から捨てたりプレイした、もしくは購入したり獲得したカードは【捨て札山/墓地】に置かれます。もし自分の山札から【カードを引く/ドローする】べきとき、山札にカードが無い状況となったプレイヤーは、自分の捨て札山にあるカードをシャッフルして、新たな山札として使ってください。それでも引く事ができるカードが山札にない場合は、それ以上カードを引く処理は無視します。

 ゲーム中にカードが、ゲームから【除外/追放】されることがあります。それらのカードはそのゲーム中ではもう使いませんので、他のカードと別にして卓上に除けておいてください。

 じゃんけんなど、適当な方法でプレイヤーの【手番/ターン】の順番を決めてください。その順にプレイヤーは自分の手番を行ってゲームを進めます。


4.ゲームの進行
 各プレイヤーは自分のターン中に、以下のように各フェイズを順に行って進めます。これらの行動を行えるのは、基本的に自分のターンを行っているプレイヤーだけです。他のプレイヤーはのんびり自分の手番を待ちましょう。


A)【アップキープフェイズ】
 プレイヤーは手札にスペルカードがあれば、このフェイズに1枚だけ選んで【ソーサリー】としてプレイすることができます。

 ソーサリーをプレイしたら、そのスペルカードのマナコストを見て、その値に応じた処理を行います。まず、プレイヤーはそのカードの総マナコストに等しい枚数のカードを自分の山札から引いて手札に加えて下さい。次に、マナコスト中のマナシンボルの種類と数を見て、それと同じ色と数のマナを自分の【マナプール】に加えます。この処理が終ったら、そのスペルカードを捨て札に置きます。

 マナプールは、各プレイヤーが自分のターン中にカードを獲得/購入したりする際に使用する資源【マナ】が貯蓄される、仮想的な場もしくはリソース貯蔵庫です。プレイヤーが得たマナはマナプールに置かれ、そのプレイヤーは随時必要な時にそこにあるマナを使って各種のコストを払うことができます。マナプールにあるマナは、どのプレイヤーのものも各ターンの終了時に全て失われます。次のターンに持ち越すことはできません。


B)【メインフェイズ】
 プレイヤーはメインフェイズ中に、次の行動を選んで行うことができます。回数に制限が指示されていなければ、何度でも可能な限りそれを行うことができます。が、逐次一回づつ処理して下さい。慣れてきたら宣言や処理は略式化していってもよいでしょう。

カードを購入する(1ターン中に1回まで)
 プレイヤーは各サプライの1番上のカードから1枚選び、そのカードのマナコストを満たすマナを支払えば、そのカードを購入することができます。購入したカードはそのプレイヤーの捨て札山に置きます。

基本土地をプレイする(何度でもできます)
 プレイヤーは手札から1枚の基本地形をプレイし、その土地が対応している色のマナ1点をマナプールに加えます。通常はカードにマナシンボルが書いてあります。その対応は「沼→黒マナ」「森→緑マナ」「島→青マナ」「山→赤マナ」「平地→白マナ」です。マナを得てからプレイした基本土地カードは捨て札山に置かれます。

基本土地を1枚獲得する(1ターン中に1回まで)
 プレイヤーは基本土地を1種類選び、卓上の余り土地カードからその基本土地1枚を獲得します。獲得した土地はそのプレイヤーの捨て札に置かれます。土地カードは色コスト指定の重いカードを購入するために序盤は数枚取る必要がありますが、ドミニオンの銅貨より弱いカードなので、取り過ぎには注意しましょう。

クリーチャーを召喚する(何度でもできます)
 プレイヤーは手札からクリーチャーカードを1枚選び、そのマナコストを満たすマナを支払うことで、そのクリーチャーを自分の【場/戦場】に出すことができます。このように出したクリーチャーを、プレイヤーは自分の手元に表向きに公開して並べて置きます。これらはターン終了時に捨て札にはされず、ゲーム中ではプレイヤーの得点を示します。

アーティファクトをプレイする(何度でもできます)
 プレイヤーは手札からアーティファクトカードを1枚選びプレイできます。アーティファクトは土地同様に1マナをマナプールに加えますが、このときマナの色をそのプレイヤーは指定することができます。5色のうちから1色選んでください。その後にカードは捨て札山に置かれます。

【ピッチスペル】をプレイする(何度でもできます)
 プレイヤーは手札からスペルカードを1枚選んでプレイできます。このとき、カードのマナコストに応じてソーサリー同様にマナは得られますが、カードを山札から引くことはできません。またプレイしたスペルカードは処理後にゲームから除外されます。カードを使い捨てにして一時的にマナを出す行動ですが、用済みとなった低コストのスペルにはこのような使い方が役に立つ場合もあるでしょう。

 プレイヤーは自分のメインフェイズ中に、これ以上したい/できる行動が無くなったと判断したら、次のフェイズに進みます。


C)【ドローフェイズ】
 まずこのフェイズの開始時に、ゲームの終了条件が満たされているかどうかをチェックします。
 -ターンプレイヤーが場に出しているクリーチャーのパワーとタフネスそれぞれの合計値を計算し、どちらかが20を超えている。
 -あるいは卓上のサプライのうち、基本5色のスペルかクリーチャーどれかのカードが尽きている。
 …このどちらかがゲーム終了条件です。もしこのような状況であればターンプレイヤーは自分以外の各プレイヤーに、最後の1ターンを順次行わせます。これらのターン中は終了条件チェックは行いません。最終ターンが一巡したらゲーム終了で、各プレイヤーは自分のクリーチャーのパワーないしタフネスの合計値を算出して比べ、最も大きい値のプレイヤーの勝ちとなります。同点の場合は、終了条件を満たしたプレイヤーから数えて手番順が近いプレイヤーの勝ちです。

 もしゲーム終了条件が満たされていなければ、プレイヤーは手札に残っていたカードを全て捨て札にして、新たに5枚の手札を山札から引きます。そして次の手番順のプレイヤーのターンに進みます。