VSシステムTCG

VSシステムTCGアメリカで2004年に発売された、映画・アニメ・ゲームなどでおなじみのアメコミのキャラクターをフィーチャーするTCGです。発売元はアッパーデック社、2005年秋発売のセット「アベンジャーズ」から日本語版がホビージャパンより発売され、本格的に日本上陸が始まりました。本国でも2005年のInquest Gamers誌のゲーム・オブ・ジ・イヤーに選ばれ、マジック・ザ・ギャザリングに次ぐTCG界の巨頭として足場を固めつつあります。
アメコミのキャラクターというと、有名どころとしてはスーパーマンバットマンスパイダーマン、Xメンなどが挙がるかと思います。ですが一口にアメコミといっても大手の出版社はDCコミックスマーヴルコミックスの2社があり、先程挙がったキャラもスーパーマンバットマンDCコミックススパイダーマン・Xメンはマーヴルコミックスと活躍している世界が違います。その違いを超えて両社の人気キャラが同じゲームで共闘するVSシステムはアメコミファンにとっては待望のTCGでした。カードのイラストレーターにコミックス界の人(時には原作を描いていた人も)を起用するあたりに世界でもトレーディングカード最大手のアッパーデック社のコダワリが感じられます。
また単なるキャラゲーに終わらずに、本気できちんと遊べるTCGとしても作られているところも素晴らしいです。デザインチームにプロTCGプレイヤーを招いて、よく練られたシステム・カードデザインになっています。


私が個人的にVSシステムの好きな特長やオススメどころを挙げていくと、

  • 毎ターン開始時に2枚ドローできる

毎ターン1枚カードをリソースとして置いていくTCGとしてはかなり重要なことだと思います。毎ターン2枚引けるので、1枚をリソースに、1枚を場に出す、ということができるのでゲーム展開が停滞せず、常に互いのプレイヤーが何か動くことになります。「土地置いてターンエンド」のような展開の遅いゲームに飽きた人にはオススメです。

  • 高コストキャラクターがきちんと強い

VSシステムのキャラクターの能力値は、普通のTCGと違ってコストに対して加速度的に強くなっていきます。毎回きちんと大型キャラクターにも出番があるのです。またキャラクター同士が直接戦闘するゲームなので、直接キャラクターを除去するカードにもかなり制限がかけられたバランスになっています。クリーチャー戦など、キャラクター同士の戦いの駆け引きが好きな人にオススメです。

  • コモンカードがきちんと使える

最近のTCGのレア偏重ぶりは酷いというか、構築戦で使うカードのほとんどがレアというゲームも珍しくありません。しかも他のカードがリミテッドならきちんと使えるカードデザインになっているかというと、そうでもなくやっぱり構築戦のエースが普通に強くて他のカードが歯が立たない状況も多いです。
VSシステムにも確かにパワーレアはありますが、他のTCGに比べると構築戦のレア比はかなり低いです。それはデッキのシナジーを構成する基本カードがコモンを中心にまとめられているからです。また、カードパワーの差も開き過ぎないように丁寧にデザインされていて、リミテッドでも緊迫した戦いが繰り広げられるようになっています。どうにも使えない屑カードが少ないというのはやっぱりいいことですよ。

  • プレイヤー人口に対して懸かってる賞金額が高い

VSシステムは世界レベルの展開をしているので、それに応じて日本の大会での賞金もけっこうな額が懸かっています。しかしまだ始まったばかりなので、日本でのプレイヤー人口はまだ少なく、賞金を獲得できるチャンスは他のTCGに比べれば断然高いです。また、VSシステムは展開が始まったばかりの国ではリミテッドを重視して大会が行われるように配慮されているので、日本での大会もまだまだリミテッド中心。カードを揃えられなくてもまだチャンスはあります。というか、シールド戦でカードを集める→そのカードで構築戦に出場、という図式がイイですね。私もそんな感じですが。
また、店舗大会であるホビーリーグの賞品であるプロモカードのレベルが高いのもお得な感じです。1位賞品とか普通にレアカードだし、参加賞を始め下位賞品も使えるカードが多いのがコレクター心を刺激します。


とまぁ、こんな感じです。細かいところはホビージャパンの公式ページ、FIREBALLのルール解説、店頭で配布されているルールブック日本語訳などを読んでいただければ分かると思います。