「ヘルボーイ:人外魔境」とシン・シティ

5月にジャイブから発売された日本語版の2冊を買ってきました。ヘルボーイの方は5月下旬になって発売されていたことを遅まきながらに知り、近所の本屋に注文を入れてあったのですが、本屋から「出版社が在庫切れなので取り寄せできません」との連絡が!スゴイ!まだ発売から1ヶ月も経ってないのに!マイク・ミニョーラの日本での人気の高さを改めて感じさせられました。
そんな訳で、とりあえず近くの本屋に置いてないか自転車で行脚してみることに。とりあえず同じくジャイブから5月発売の「シン・シティ:ビッグ・ファット・キル」は一軒目でさくっと入手。しかしヘルボーイは……残ってない。つくばの書店をあちこち回り、三軒目で幸運にも残っていた1冊をようやくGet!


ヘルボーイ:人外魔境」は、ストーリーテリングの冴えもセンスの良いイラストのタッチも、ミニョーラの腕はまったく衰えておらず楽しめました。アメコミファンに限らず、現代欧米ファンタジーの主要作品として伝奇・神話・民話のファンにはヘルボーイは必読と言ってもいいでしょう。
ただ、今回のエピソードの位置付けは『ヘルボーイ第一部エピローグ』というあたりなので、初めての人が最初に読むのには向いてないために万人にお勧めできるわけではないのが困ったところですかね。映画版と続いてる内容でもないし。興味のある人はここはひとつぜひ根性を出して第一巻の「ヘルボーイ:破滅の種子」("Hellboy:Seed of Destruction"、日本語版は小学館プロダクション刊、原書はDark Horse Comics刊)から読み始めてもらいたいものです。


シン・シティ:ビッグ・ファット・キル」はフランク・ミラー作のハードボイルドコミックシリーズ、シン・シティの第3部。映画版のエピソードとして採用された3エピソードの内の1話です。
私がシン・シティを初めて読んだのはビクターブックス刊の第1部(現在はジャイブから「〜:ハード・グッドバイ」として入手可能)であるマーヴの物語でした。もう十年も前になるでしょうか。シンプルな描画で淡々と語られる極限の暴力のストーリー、この作品で初めてハードボイルドというジャンルに触れた覚えがあります。ミラーの描くヒーローではデアデビルと並んでマーヴが今でも一番好きですね。
「〜:ビッグ・ファット・キル」はシン・シティシリーズ中でもミラーが表現に慣れてきて一番勢いに乗っていた中期の作品。面白かったです。映画版も評判良いしレンタルビデオで出たら観ようかな……