オフカーブ戦略

そしてカーブ戦略があれば、当然それに対応する概念として、「オフカーブ戦略」というものもあります。例えば「あなたの全てのキャラクターは+1ATKを得る」などの、キャラクター全体に修正を与える効果があったとします。この場合、その効果を最大限に生かすためには多くのキャラクターを場に出しておく必要があります。オフカーブ戦略は、ターンごとのリソースポイントを複数のキャラクター(と装備品など)をリクルートすることに使い、数の力で相手を圧倒しようとする戦略です。
カーブ戦略が基本のVSシステムでは、オフカーブ戦略を採用するにはかなり強力なサポートが必要になります。例えば、アベンジャーズ環境でメタゲームの一角を担った邪悪の顔デッキ(マスターズ・オブ・イーブルとサンダーボルツのチームアップデッキ)は主に3つの要素によってオフカーブ戦略として成立していました。
1.邪悪の顔
マスターズ・オブ・イーブルとサンダーボルツのキャラクターをコントロールしているときに使えるチームアップカードで、コストが3以下のキャラクターに攻撃中+1ATKを与える効果を持っています。邪悪の顔デッキはビートル◆マッハ1の効果でこのカードを何枚も集めることが可能でした。
2.両チームのチーム特性
サンダーボルツのキャラクターの特徴の一つに「自分のリクルートコストより多い特定数のリソースをコントロールしているときに、キャラクターが強化される」という点がありました。また、マスターズ・オブ・イーブルにはリソースポイントを支払うことをコストにする起動型能力を持つキャラクターがいました。元々オフカーブ向きのキャラクターが多かったのです。
3.ハインリッヒ・ジーモ◆バロン・ジー
隣接しているキャラクターが自分よりコストの高いキャラクターを攻撃していると、+2ATKを与えるリーダーキャラクターです。このキャラクターを中心にフォーメーションを組むことで、低コストのキャラクターでも格上のキャラクターを討ち取ることができました。


オフカーブ戦略の利点をまとめてみます。
①アグレッシブな攻めを展開できる。キャラクターの数が増えるので攻撃回数も増える。つまり、プロットツイストなどのATK修正をうまく利用すれば、格下で相手の高コストキャラクターを討ち取って、数で上回った分だけ相手プレイヤーに直接のブレイクスルーダメージを与えられる可能性もある。
②低コストキャラクターのチームアタックを基本とするので、アタックの結果スタンする戦力が相手よりも少なくて済む。
③キャラクターのコストが低くなるので、相手よりもスタン時のライフ損失が少なくて済む。また、ディフェンダーに支援を付ける機会も増えるので、ブレイクスルーダメージを軽減してライフ差で有利に立つことができる。
……しかし逆に弱点もあるのです。
①小粒のキャラクターが並ぶことになるので、相手がイニシアチブを持つターンには、相手のアタッカーを反撃で討ち取ることが難しくなります。
②多くのキャラクターをリクルートする分、手札の消費が激しいです。戦線を維持するためにどこかでカードアドバンテージを稼ぐ必要があります。
③キャラクターの数が多いのでディフェンスフォーメーションが難しい。特に相手側に飛行を持つキャラクターがいたりすると大変です。隙を作らずに守る秘訣があればいいのですが……難しい!


カーブ戦略とは違い、これといった定式が無くなかなか一筋縄ではいかないオフカーブ戦略ですが、悩み所に見合うだけの面白いデッキも色々あります。VSシステムに慣れてきたらぜひ試してみて下さい。